バイアグラ(Viagra)はED(勃起不全)を治療するために使用されるED治療薬(勃起薬)です。有効成分としてシルデナフィル(Sildenafil)が含まれています。シルデナフィルは、PDE5阻害薬(ホスホジエステラーゼ5)という医薬品のクラスに属するお薬です。
バイアグラは、世界で初めてのED治療薬として誕生し、1998年にファイザー社からアメリカで発売が開始されました。日本では1999年に厚生労働省の認可を得て販売されるようになりました。
日本で承認されているED治療薬には他に、シアリス(有効成分:タダラフィル)とレビトラ(有効成分:バルデナフィル)があります。
シルデナフィルは、特定のタイプの肺高血圧症(PAH)の治療薬としても使用されており、レバチオ(Revatio)という商品名で販売されています。
バイアグラを初めて服用する際には、病院で医師にED(勃起不全)の症状をご相談することを推奨します。症状や体質に合わせて、医師が指示した安全な推奨用量に従いバイアグラを服用してください。
医師が指示した用量以上の量の服用は避けてください。使用量が多すぎると、副作用が生じる可能性が高くなります。
日本で処方されるバイアグラの一般的な推奨用量は25mgまたは50 mgです。外国では100 mgまでの用量が処方されていますが、体型の大きい外国人向けに販売されている用量です。一般的な体型の日本人が100mgを服用することは、副作用をもたらす可能性があるので、避ける必要があります。
バイアグラは、陰茎の他にも心臓や肺など、身体の他の部分の血管にも影響を与えるため、医師が指示した投与量を守ることが大切になります。
バイアグラは空腹時に服用すると最も効果的です。バイアグラの効果を最大限に引き出すために、食後に服用しないことが大切になります。特に、高脂肪の食事;焼き肉、天ぷら、フライドポテトなどを食べた後にバイアグラを服用した場合、効果があらわれるまでに時間がかかったり、思ったような効果を感じることができないことがあります。
バイアグラの服用を予定している日は、ランチだとしても脂肪分の多い食事を避けることが賢明です。お昼に食べたとしても、脂肪分の多い食事は胃腸に長く残るため、夕方にバイアグラを服用する際にも、効果のあらわれ方に影響を与える可能性があります。
和食などの油分の少ないあっさりとした食事でしたら、食後2時間ほど後にバイアグラを飲むことが可能です。
バイアグラを服用しただけでは勃起しません。効果を感じるためには、性的に刺激を受ける必要があります。良いムードを演出することも、女性をその気にさせるためには大切です。
バイアグラは服用し始めてから30分〜1時間ほどで効果があらわれ始めます。性行為の1時間前までに水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
セックスする直前にバイアグラを服用しても、望みどおりの硬さや持続力のある勃起を得ることがない可能性があります。
バイアグラの効果持続時間は1〜5時間ですので、1〜2時間は前もってバイアグラを服用することをおすすめします。
また、バイアグラを1日1回以上服用しないでください。(24時間以内に1回)
残念ながら、バイアグラはお酒と一緒に服用すると、効果があらわれにくかったり、副作用がでる可能性が高いお薬になります。セックスするときには緊張するので、雰囲気を出すためにお酒を飲みたい男性も多いと思われますが、アルコールを飲む際にはビールやワインなどの軽いお酒を1〜2杯程度におさえる必要があります。
過度の飲酒はEDの症状を悪化させる可能性があります。慢性的な大量の飲酒は、肝臓、心臓、神経を損傷し、テストステロンを減少させる傾向があります。これらすべてがEDに繋がることがあるのです。
バイアグラが引き起こす可能性のある副作用は、ほてり、消化不良、胸やけ、頭痛、不眠、視力の変化、鼻づまりなどです。
詳しくは「バイアグラの副作用とその対処法について」をご覧ください。
グレープフルーツとグレープフルーツジュースはシルデナフィルと相互作用を引き起こし薬物の代謝を阻害するので、望ましくない副作用を引き起こす可能性があります。シルデナフィルを服用している間は、グレープフルーツを食べたり、ジュースを飲んだりすることを避けてください。
狭心症などの心不全の症状に処方される硝酸薬、または肺高血圧症を治療するために使用されるにはアデムパス/ Adempas(リオシグアト)などのお薬との服用は絶対に避ける必要があります。血圧が危険なレベルにまで下がる可能性があります。
また、レバチオは肺高血圧症(PAH)のお薬ですが、バイアグラと同じ有効成分シルデナフィルが含まれているので、併用を避ける必要があります。
その他のED治療薬であるシアリス(有効成分:タダラフィル)とレビトラ(有効成分:バルデナフィル)も一緒に服用してはいけません。
上記のリスト以外にも、併用禁忌薬・併用注意薬がありますので、服用しているお薬とサプリメントのリストを作成し、バイアグラを服用する前に医師と相談してください。
この1年間に、胸痛があった方、硝酸薬を服用している方、低血圧になったことがある方、心臓発作、心不全、または脳卒中を起こしたことがある場合は、医師に相談してください。
バイアグラは魔法のお薬ではありません。勃起を得るために性的刺激を必要とし、初めて服用した際には、効果があらわれにくいことがあります。
うまく作用しているかどうかを評価するために、少なくとも2〜3回試してみてください。服用のタイミングや、食事などに気をくばると、効果があらわれることもあります。
パートナーと一緒にいる時に試すことが難しい時は、まず一人で試してみることも良い方法でしょう。
いかがでしたでしょうか?
バイアグラの効果的な飲み方の基本をまとめてみました。
バイアグラは健康状態が良好であるときに最もよく作用します。
健康な体、特に健康な心臓は、EDを克服するための最も重要な要素です。
より長く強い勃起を得るための最良の方法は、心臓・血管の健康、およびホルモンレベルを改善することです。
適度な運動を毎日十分に行い、バランスのとれた食生活を行うことも大切になります。
また、喫煙はペニスを含む全身の血管の内壁を損傷する可能性があります。
そして、EDを引き起こす可能性のある薬物の回避することも大事です。抗うつ薬などの特定のお薬の服用を開始した後にEDを経験した場合は、医師に相談して、性機能に支障をもたらさない別にお薬に切り替えてもらうようにお願いすることができます。
みなさまが、より幸せで健康な性生活を送ることができるようになることを願っています。
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