ほとんどの国で嗜好用の大麻(マリファナ)が合法か否かの法律は白黒はっきりしていますが、各国のCBD(Cannabidiol : カンナビジオール)の法的地位は非常に複雑です。
基本的に多くの国々においては大麻(マリファナ)が違法であるとされており、CBDは世界のほとんどの国で合法です。ただし、CBDは大麻からの抽出物であるため、その製造過程については多くの規制や法律でコントロールされており、一般の人がCBD製品を栽培したり、生産したりすることができるわけではありません。
これに加えて、各国には大麻に関して変化し続けている独自の法律が制定されている傾向があります。 そのため、CBDの国際的な法的地位は多様であり、それぞれの国の事情を詳しく確かめる必要があります。
この記事では、海外旅行などで海外へCBDを持っていきたいという読者の方々のために、代表的な国々のCBDの法的地位をわかりやすくまとめてみました。
それでは、各国のCBDの法的な位置を、順を追って見ていきましょう。
CBDについての基本情報は、「CBD」のページをご参照ください。
日本でCBDオイルを購入することは合法となっています。 しかし、合法とされるには条件があります。
日本ではTHC(テトラヒドロカンナビノール)の含有量が0.03%以下で、麻の茎および種子それら由来のCBD(カンナビジオール)を含んだ製品は合法とされています。
日本国外で作られたCBD製品の中には、日本の法律で許可されているよりも多くのTHCが含まれている製品がたくさん流通しています。そのため、外国から通販でCBDオイルなどを購入する際には、上記の点をクリアしていて、正式な外部機関の成分鑑定書を発行している会社から購入する必要があります。
多くの国では、CBDオイルに含まれるTHCの量を制限していますが、ほとんどの国では、規制の施行が緩く、許容されるTHCの含有量を超えるCBDオイルを所有することに対する罰則は通常罰金のみになります。
一方、日本では、大麻とTHCがより深刻に受け止められており、THCを規定量以上に含むCBD製品を購入したり、所持しているだけで、最高10年の懲役と300万円の罰金が科せられます。
アメリカではマリファナの一部、またはすべての形態を合法化した州が存在するにもかかわらず、連邦政府は米国麻薬取締局(DEA)により、CBDはスケジュールIに分類される薬として位置しています。スケジュールIの薬とは、DEAによって「現在受け入れられている医学的用途がなく、乱用の可能性が高い薬」と定義されています。これは、CBDだけでなく、大麻植物全体が分類されるカテゴリーになります。
アメリカでは州ごとに法律が異なるため、CBDオイルが現在どこで合法であるかを確認するには、州ごとの状況を確認する必要があります。
現在、あらゆる形態の大麻(マリファナ)が完全に違法である州は3つの州のみになります。これらの州は、アイダホ、ネブラスカ、サウスダコタです。
これらの州に住んでいない限り、CBDオイルは合法になります。
現在、アメリカで医療用と嗜好用にもマリファナが合法化されている州は10あります。
法的に大麻を合法化したこれらの10の州は次のとおりです。
ワシントンD.Cは州ではありませんが、ワシントンD.Cでも大麻は完全に合法化されています。
これらの州(およワシントンD.C.)では、18歳以上であればCBDオイルを合法的に購入できます。
医療用大麻が合法である州は23あります。
これらの州では、まずは医師と相談し、州の法律で医療用マリファナの使用に該当する病気があるかどうかを確認し、医療用マリファナカードを取得する必要があります。
CBDは合法ですが、THCの含有量などの規制は州によって異なります。
CBDオイルのみが合法である州は14の州になります。
州ごとに法律は大きく異なりますが、医療用カンナビジオールは下記の州において合法的に使用されています。14の州の多くでは、症状の重症度に基づいてCBDの承認を取得することに関する厳しいルールがあります。
州ごとの規制の詳細は異なるため、各州の機関にお問い合わせください。
今日、イギリスでは600万人以上がカンナビジオールを試したことがあるとされています。
カンナビジオール(CBD)が大麻の一種であるヘンプから抽出されるため、英国ではCBDオイルが違法であるかどうか、正確なルールは何か、という点で混乱が続いています。
イギリスにおいて、カンナビジオールは、イギリス、アメリカ、EUなどの国々で分離された場合、規制対象の物質とはなりません。
イギリスでは、製品に規制化合物が含まれていない限り、CBDは合法なのです。
英国の法律に準拠するためには、THC(テトラヒドロカンナビノール)に加えて、CBN(カンナビノール)のレベルがCBD製品鑑定で「検出不可」となるほどのごく少量でなければなりません。
そのため、理論上、フルスペクトラムのCBDオイルは英国では合法ではありません。技術的にも、フルスペクトラムのCBDオイルは検出可能なレベルのTHCを含むためです。イギリスではフルスペクトラムのCBDオイルが違法になるのです。
ただし、現時点ではこの法律の施行はそれほど厳しくはないのが現状です。
しかし、大規模な小売業者は、法律に従い「検出できない」THCとCBNの製品のみを販売しています。
イギリスでは、CBDオイルを作るためのヘンプを収穫することは違法です。ですが、上記の条件を満たしている限り、処理済みの大麻抽出物の輸入は英国で合法となっています。
2018年10月17日にカナダでは医療用、および嗜好用の大麻が合法化されました。
しかし、カナダのCBD製品の規制は厳しくなっています。THCが含有している恐れがあるからです。カナダではTHCが厳しく取り締まられているのです。
現在の法律では、消費者が次の場合にのみCBDオイルを購入することが合法であるとされています。
「正式なライセンスを保有した生産者、またはストアなどの店舗を通じて購入された製品、そして認可された医療従事者から許可を得て登録された医療患者の場合」
現在、コンビニエンスストア、健康食品店、およびその他の規制されていない店舗から購入しているCBDオイルは違法であるとされています。
カナダの大麻に関する法律は州によって異なり、それぞれに独立した連邦政府の裁定があります。したがって、全国のCBDへの規制法を一言で説明することはが難しく、それぞれの州政府に問い合わせしてみる必要があります。
このように見てみると、各国のCBDの法的地位はそれぞれの国の主観によって制定されており、多様だということがおわかりなっていただけたかと思います。
CBDを持参して海外旅行に行く際には、必ず目的地の国、または地域においてCBDが合法かどうかを確認して出発するようにしてください。
もし、調べてみてもはっきりと分からなかった場合、または、その国の法律で不確かな点がある場合は、安全性を確保して、CBDを持って旅行しないことを推奨します。
参照:
https://www.eirhealth.com/is-cbd-legal-in-japan
https://www.thestreet.com/lifestyle/health/is-cbd-oil-legal-14802001