the Jerusalem Postは3月10日、イスラエルの科学者により「数週間以内にコロナウイルスへのワクチンが開発されるだろう」と発表しました。
しかし、ワクチンが開発されてから、規制の臨床実験のプロセスを完了するには少なくとも90日かかり、市場に参入するまでにさらに時間がかかることが予想されています。
イスラエルの科学技術大臣のオフィル・アクニス氏によると、科学者たちは、新型コロナウイルスのワクチンの開発に取り組んでおり、すべてが計画通りに進んだ場合、ワクチンは数週間以内に準備が整い、90日で利用可能になる可能性があると報告しています。
アクニス氏は 「ワクチンの開発を急速に進めており、世界的なコロナウイルスの脅威に必要な対応を提供できるようになると確信しています」と述べました。
過去4年間、MIGAL(ガリラヤ研究所/ Galilee Research Institute) の科学者チームは、家禽に影響を及ぼす気管支疾患の原因となる感染性気管支炎ウイルス(IBV)に対するワクチンを開発して来ました。ワクチンの有効性は、獣医研究所で実施された前臨床試験で証明されています。
MIGALのバイオテクノロジーグループリーダーであるChen Katz博士は、次のように述べています。
「私たちの基本的なコンセプトは、特定のウイルスに対するワクチンではなく、ワクチンを開発する技術を開発することでした。… ワクチンの科学的枠組みは新しいタンパク質発現ベクターに基づいています。このタンパク質発現ベクターはキメラ可溶性タンパク質を形成し、また分泌します。
このキメラ可溶性タンパク質は自己活性化エンドサイトーシスによってウイルス抗原を粘膜組織に送達します。これらの一連の働きにより、身体がウイルスへの抗体を形成するように誘導します。」
エンドサイトーシスとは、物質を細胞膜で囲むことにより物質が細胞に取り込まれ、摂取された物質を含む小胞を形成する細胞プロセスのことを指します。
Katz博士によると、前臨床試験において、博士のチームは経口ワクチン接種が高いレベルで特異的 抗-IBV抗体を誘導することを実証したそうです。
これからは、コロナウイルスを対象にして、このシステムをモデルに博士が開発した技術のコンセプトの証明するプロセスに進むようです。
中国の科学者たちが新型コロナウイルスのDNAの配列を公表した後、MIGALの研究者はそれを調べ、家禽のコロナウイルスが人と最も遺伝的に類似性を示しており、同様の感染メカニズムを使用していることを発見しました。この発見により、非常に短い期間で効果的な人体へのワクチンを達成できる可能性を高めたそうです。
「私達がこれからするべきことは、このシステムを新しいシークエンスに調整するだけです」と博士は述べました。 現在、Katz博士のチームはこのプロセスの真っただ中におり、数週間後にはワクチンが開発されることを目指しています。
Katz博士のMIGAL(ガリラヤ研究所)は新しいワクチンの開発を担当していますが、今後、ワクチンが実際に使用されるようになるためには、臨床試験や大規模生産の検討などを含む規制のプロセスを経る必要があります。
イスラエルの科学技術大臣のアクニス氏は、できるだけ早くワクチンを実用化することを目標に、すべての承認プロセスを迅速に追跡するように省の局長に指示しました。イスラエルではコロナウイルスワクチンの緊急で世界的な必要性を考慮して、開発を加速するためにできる限りのことが行われており、ワクチンは90日で安全性の承認を得ることができる可能性があるとされています。
このワクチンは、経口ワクチンタイプなので、一般の人々が利用しやすい形態のタイプになります。
MIGALの CEO、 David Zigdon氏は、パートナーと集中的に議論し、人への治験段階を加速し、最終製品の開発と調整活動の完了を促進していると言及しました。
イスラエルの科学者たちが開発した新型コロナウイルスへのワクチンが90日後に実用化される可能性が実現すると、たくさんの人々の命が救われる可能性が一気に高まるでしょう。
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