セロキット - クエチアピン（Seroquit - Quetiapine）

クエチアピンの効果効能

クエチアピンは非定型抗精神病薬(MARTA)という種類に属する医薬品です。
主に統合失調症や双極性障害（躁うつ病）の治療に使用されており、脳内の神経伝達物質の受容体に働きかけてドーパミンやセロトニンの働きを調節することによって、興奮・幻覚・妄想・不安・意欲の低下など不安定な精神状態を改善します。

心の病気の一つとして知られる「統合失調症」は、脳内の神経伝達物質のはたらきに不調が生じ、幻覚や幻聴、妄想、感情の鈍麻や意欲の減退など、思考や感情をうまくコントロールできなくなる病気です。
統合失調症は、１００人に１人程度の割合で発症すると言われている一般的な病気です。主に薬物療法を中心として治療を継続することで、通常の社会生活が送れるように回復します。

クエチアピンは、脳内の情報伝達系にあたる「ドーパミン」と「セロトニン」という２つの神経伝達物質に作用します。

興奮や幻覚、妄想など思考の混乱に大きく関わるのがドーパミンで、過剰なドーパミンの働きを抑制することで、幻覚や妄想といった症状を改善します。
併せて、感情が乏しくなったり意欲減退を招く脳内神経伝達物質セロトニンの受容体（5‐HT2受容体）を阻害する作用もあり、意欲減退や感情鈍麻や認知機能の改善に効果を発揮します。

不安を鎮めて気分の落ち込みを軽減し、気分を安定させる作用があることから、統合失調症の症状を改善するほか、双極性障害のうつ状態・躁状態のどちらにも効果をあらわします。

クエチアピンは他にも、アドレナリンやヒスタミンなど多くの受容体に働きかけるので、強い不安感や緊張感、衝動性のコントロール、うつ病など様々な精神症状の治療に用いられます。

参照：
「統合失調症」MSDマニュアル
「双極性障害（躁うつ病）」MSDマニュアル

クエチアピンの服用方法

＜成人＞

1回25mg、1日に2回または3回より服用を開始し、状態に応じて徐々に増量します。
通常、1日の投与量は150〜600mgとし、2回または3回に分けて服用してください。
なお、投与量は年齢・症状により適宜増減しますが、1日量として750mgを超えての服用はしないでください。

クエチアピンの副作用

クエチアピンの主な副作用として、下記の症状があらわれる可能性があります。

● 精神神経系：不眠、易刺激性、傾眠、不安、めまい、頭痛など
● 消化器系：便秘、食欲減退など
● その他：倦怠感、無力症、CK上昇、口の乾き、体重増加など

また、重大な副作用として稀に下記の症状があらわれる可能性があります。

● 高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡
● 低血糖
● 悪性症候群
● 横紋筋融解症
● 痙攣
● 無顆粒球症、白血球減少
● 肝機能障害、黄疸
● 麻痺性イレウス
● 遅発性ジスキネジア
● 肺塞栓症、深部静脈血栓症
● 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑

使用中に異常を感じた場合は、使用を中止して医師の診察を受けてください。

セロキットの使用上の注意

重要な基本的注意

● 本製品の使用に伴い、血糖値の顕著な増加が見られる場合があります。これは、糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡など、生命に関わる症状を引き起こす可能性があります。そのため、本製品の使用中は血糖値を定期的に測定し、口渇、多飲、多尿、頻尿などの症状を注意深く観察する必要があります。特に、高血糖や肥満など糖尿病のリスクファクターを持つ患者様においては、血糖値の上昇により代謝状態が急速に悪化する危険性があります。
● 本製品の使用により低血糖を引き起こすことがあります。使用中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害などの低血糖症状に警戒し、血糖値の測定を含む適切な観察を行うことが重要です。
● 本製品を使用する際には、事前に患者様及びご家族に対し、副作用の可能性について十分な説明を行うことが求められます。特に、高血糖症状（口渇、多飲、多尿、頻尿等）および低血糖症状（脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等）には注意が必要です。これらの症状が現れた場合には、直ちに本製品の使用を中止し、医師の診察を受けるよう指導してください。
● 本製品の使用により体重増加が生じることがあります。そのため、肥満の兆候には注意を払い、必要に応じて食事療法や運動療法などの適切な対策を講じることが推奨されます。
● 本製品は、治療開始の初期段階で起立性低血圧を引き起こす可能性があります。立ちくらみやめまいなどの低血圧症状が現れた場合には、用量の調整を含む適切な対応を行ってください。
● 本製品は中枢神経系に主に作用するため、眠気や注意力・集中力・反射運動能力の低下が生じることがあります。そのため、患者様には自動車運転や危険を伴う機械操作を避けるよう指導してください。
● 前治療薬から本製品への切り替え時には、精神症状の悪化の可能性があるため、慎重な観察を行いながら、前治療薬の用量を減らし、本製品を徐々に増量することが推奨されます。症状の悪化が見られた場合には、他の治療法への切り替えを含む適切な対策を講じてください。
● 本製品の投与量を急激に減らすか、または中止することにより、不眠、悪心、頭痛、下痢、嘔吐などの離脱症状が生じる可能性があります。投与を中止する際には、段階的に減量するなど、慎重な手順を踏むことが推奨されます。
● 無顆粒球症や白血球減少などの症状が現れることがあります。そのため、定期的な血液検査を含む適切な観察を行い、異常が見られた場合には、直ちに投与を中止するなどの適切な対応を取ることが求められます。

セロキットの保管方法

● 本製品は涼しく暗い場所に置いてください。
● お子様が触れないように、安全な場所に保管してください。
● 間違って飲んだり、品質が悪くなったりしないように、開けたらすぐに元の容器に入れてください。
● 使用期限は守ってください。期限が切れたら使わないでください。

セロキットの通販・個人輸入について

この製品は、インドのヒーリング ファーマ社が開発・販売する、国際的な基準に適合したジェネリック医薬品です。

※製造国の詳細は、こちらでご覧いただけます。

ベターヘルスは、海外医薬品の個人輸入をサポートするサービスです。お客様のご要望に応じて、海外のパートナーと協力して、医薬品の調達や輸入・通関の手続きを代行いたします。

参考：

非定型抗精神病薬（多元受容体作用抗精神病薬：MARTA）の解説：日経メディカル

医療用医薬品 : クエチアピン

クエチアピン：ウィキペディア